医療・介護搬送においては個々のケースでその状況は異なり、当然使用する搬送機材も様々です。可能な限り移送のご依頼を頂いた段階で患者様の身体状態(病状、座位可否、拘縮有無、医療器具使用有無など)や居住状況(主に自宅での住環境について、ベッドか和床など)、搬送ルート状況(戸建やマンション、廊下幅や間取り、EV有無など)その他を確認させて頂き、使用する搬送機材を選択していきます。
*必要に応じて搬送ルートなど現地下見にて事前確認させて頂く場合がございます。
☆スクープストレッチャー☆
寝たままの患者様を移動する際、例えば病院のようにストレッチャーをベッド脇に置ける極短距離移動(移乗)であれば、厚手で大きめのバスタオルと数人の介助でもOKです。ところが少し距離のある移動となると、どうしても担架等が必要になります。しかし狭い部屋や通路・階段だったり、患者様の状態(腰痛、骨折、リウマチなど)によって体が動かせない場合など、時として搬送方法に制約が加わることが往々にしてあります。その様な患者様のために、なるべく移乗時に体を動かす事を極力少なくして搬送できる特殊な担架です。二つ割りになるので寝たままの患者様を左右から挟み込むようにして体をほとんど動かす事無く装着出来ます。複数のベルトで全身を固定し安全を確保した上で移乗搬送します。
☆布担架☆
患者様が座位を取れる、または一時的に体を曲げることが可能な場合など条件付(病状で腰部にダメージがあったり骨折されて体を動かせない方には布担架は不向きです)ではありますが、狭小箇所が多く間取りに制約のある搬送において布担架を使用する場合があります。
またマンション等エレベータにトランクルームのスペースが無くストレッチャーが入らない場合にEV部分を車椅子に乗り換えて搬送するケースで、繰り返し行わなければならない移乗を出来る限りスムースに行うべく、布担架を利用することもあります。当社が常備している布担架はベルカKB-160というベルトジョイント式タイプで、身体全体で担ぐため女性や緊急時には1人でも安全に担げる構造になっています。(狭小箇所や階段での移動時は原則2人で担ぎます)
☆その他担架代用品☆
移乗距離が極短い場合、布担架代用品としてアメリカ製のバスタオルを使用することもあります。アメリカのホテルに滞在された方はお判りかと思いますが、このタオルはループを短めにして立たせ高密度に編みこむ縫製方法で作られた乾燥機をよく使うアメリカならではの堅牢で大判のバスタオルで、布担架としても十分使用に耐えうるものです。76cm×147cmと90cm×180cmの2タイプ用意してます。
また、非常用としておんぶ紐(おんぶ補助具)も常時車内に装備しています。