点滴について・・・

病院間の転院や入退院時点滴を行いながらの搬送はよくあることです。実際搬送時は車椅子やストレッチャーで輸液バックをガートル架(点滴棒)にぶら下げて移動することになりますが、輸液バッグのセットは適正であるか、ベットからストレッチャーや車椅子への移乗時にチューブが体の下敷きになっていたり折れ曲がってしていないかなど、患者搬送事業者として最低把握しておくべきポイントをいくつか挙げてみます。

■搬送時におけるチェックポイント
①点滴ボトルの高さ:刺入部から液面までの適切な高さ→80~100cm、心臓から27cm以上の落差を確保(末梢静脈には10~20mmHgの圧力がかかっている為心臓から27cm以上<注1>の落差が無いと滴下しない)
②刺入部位:体の下敷き等による圧迫の有無、ドレッシング材<注2>のはがれ
③輸液ルートの流れ:輸液ルートが屈曲・圧迫されていないこと、ドリップチャンバーにて滴下確認、等
<注1>20mmHgは約272mmH2O(1mmHgは約13.6mmH2O)
<注2>ドレッシング材についての参照先はこちら

特に長距離の搬送においてリスクはより高くなると思います。車の揺れや振動(高速走行時は特に注意)によって滴下速度が変わってしまったり(厳密な管理が必要な場合は輸液ポンプを使うケースとなるが・・・)、輸液ルートが最悪抜けてしまったりなど看護師さんの対応が必須になってしまいます。

☆おまけ講座:点滴関係の基礎知識☆
■点滴の投与時間
・1分間の滴下数
=1mLの滴下数(20滴)×指示総量(mL)/指定時間(時間)×60(分)
・点滴時間(時間)
=1mLの滴下数(20滴)×指示総量(mL)/60(分)×1分間の滴下数
■点滴セットにおける1mLあたりの滴下数
→成人(20)、小児(60)
■その他名称
・クレンメ:輸液ルート内の流れを一時的に止めたり(クランプ=閉塞)、滴下を調整するもの。ローラークレンメ、ワンタッチクレンメ、スライドクレンメ
・点滴筒(ドリップチャンバー):点滴の滴下数を目視確認できる。