歩行補助具について・・・

高齢化が益々進む中、老老介護という現実に直面するのも稀なことではありません。現に高齢の旦那様に高齢の奥様が付添い病院を受診する、というお客様も多々存じ上げております。こうしたお客様においては、ご利用者以上にお付添いの方への介助・見守りの比重が自然と高くなります。このような時は車椅子やストレッチャーご利用者よりも先にお付添いの方の見守り誘導を優先して行い、安全を確保してからご利用者の昇降介助を行うように心がけています。加齢や怪我などにより、立っている時や歩いている時のバランスが悪くなったり、長距離の歩行が困難であるお付添いの方の為に、弊社では歩行器や杖をご用意しております。

歩行器や杖を使用することにより、歩くことが楽になり、歩行距離を延ばすことや歩行速度を早めることができ、通院時のお付添いの負担を軽減することになります。お付添い以外でも、普段の生活においても今まで家に閉じこもりがちだったのが、杖などを使う事によって外出するのが楽しみになることかと思います。
杖や歩行器には種類も多く、身体の状態により使用するタイプがありますので、ご自身で購入、またはレンタルする際には、より適したものを選びたいものです。最近は機能だけでなく、色々なデザインのものがありますので、ご自分の生活シーンに合ったものが選択可能です。

☆一本杖☆
家の中の生活は自立していますが、外出するのがちょっと不安な方向け。
グリップ部分を握り、杖の先を地面について歩きますが、特別な扱いは必要ないため初めて使用する人もすぐに慣れることができます。シンプルな形状で比較的軽量のため高齢者が持ってもそれほど負担になりません。持ち手(グリップ)が一般的なL字(ステッキ)型や体重のかけやすいT字型 があり、携帯しやすい2折や4折のタイプ、身長に合わせて長さ調節可能なもの、先端に滑り止めゴムや自在ゴムが付いたもの、軽量なアルミ製などがあります。

☆多脚杖☆
一本杖では足元が安定しない、脚力が低下している、という人におすすめです。杖先が多点で安定しているため、姿勢が悪い人や、背骨が曲がった人にも適しています。自宅内や施設・病院内の移動がメインの方向き。
地面と接する杖先が1点であるT字杖に対して、杖先が3点、あるいは4点の杖で、支えてくれるポイント(支柱)が多く、安定性が高いという特徴があります。多脚杖は段差のない平らな場所(病院や介護施設)などでは非常に便利ですが、段差のある屋外では不安定になりやすく、かえって転倒するおそれもあります。使用する場所や環境を考慮しましょう。
○杖ステッキなんでも情報館

☆歩行車(シルバーカー)☆
私もこの投稿をするまでシルバーカー=歩行車と思っておりましたが、実は、シルバーカーは歩行にあまり問題のない方が利用することが多い様で混同されがちです。構造的にもまったく異なりますのでご注意下さい。ちなみに歩行車は介護保険適用されますが、シルバーカーは介護保険適用外となるそうです。
歩行車は歩行器の一種と分類され、さらに屋外用が歩行車、屋内用が歩行器と区別されているようです。歩行器・歩行車は、歩行時に支えが必要な方が歩行補助として使用します。製品に体重を預けてもいいように、フレーム構造や重量が設計されており、ハンドル形状も基本的にはコの字(U字)型で姿勢を正して歩行できる様になっています。(写真)
一方でシルバーカーは歩行が自立している人が、買い物や散歩などで荷物を入れて移動したり、外出時のお供(休憩する時腰かけとして休む事ができる)などを用途として設計されており、極端に体重を預けて押してしまうと転倒する危険性があります。
○歩行用品の選び方