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「とっちゃんらーめん」開店準備 -かん水その後と熟成-


先日「かん水」のレポート用に打った麺を、そのまま冷蔵庫の野菜室(7℃前後、湿度50%程の環境)で長期保存し、経時変化による麺質の変化を確認してみました。
麺の状態や味、茹でた後の食感など以前から気になっていたことが沢山ありますので、少しでもすっきり出来れば良いなぁ…などと思いつつ、この検証をおこなってみましょう。


熟成した麺(左:炭酸カリ、右:炭酸ナト)


■打ちたての麺■
炭酸カリウム主成分かん水で打った麺。縮れも少なくふわふわした柔らかい感じがする。炭酸ナトの麺に比べ若干黄色が強い。


拡大した麺
■打ちたての麺■
炭酸ナトリウム主成分のかん水で打った麺。縮れも少なく炭酸カリの麺に比べよりふわふわした柔らかい感じがする。若干白っぽい。


拡大した麺
■6日後の麺■
炭酸カリウム主成分かん水で打った麺。表面に艶があり色は少しくすんでいる。麺の弾力性は打ち立てのときより顕著で、麺を手で引っ張った時、打ち立て時に比べさらにしなやかに伸びた。
拡大した麺
■6日後の麺■
炭酸ナトリウム主成分のかん水で打った麺。表面に艶がありくすみ具合は炭酸カリの麺より少ない。麺の弾力性は打ち立てのとき以上に、麺を手で引っ張った時、ぷつぷつ切れてしまう。(ボソボソした感じは無く、麺そのものはしっとりとした感じがある)味も多少塩気が炭酸カリの麺に比べて強くなった感じがする。
拡大した麺
■茹でた麺■
炭酸カリウム主成分かん水の麺を茹でた時、ちょうど乾麺を茹でている様な麺の外側が透き通って中の芯がはっきりと見える。茹で時間1分10秒で打ち立ての麺に比べると明らかに硬い茹で上がり。食感はしっかりしていて歯ごたえを強く感じます。喉越しのつるつる感もかなり好印象です。味は中華麺独特の香り(かん水の香り)が適度に有り、あ〜、ラーメンだ!という印象です。今回はお湯だけで麺を試食しましたが、麺だけで食べても結構美味いなぁ…という感想を持ちました。食べはじめと食べ終わりでおよそ3分くらいの時間経過があったと思いますが、麺の食感は終始ほとんど変化無いように思われました。
拡大した麺
■茹でた麺■
炭酸ナトリウム主成分のかん水の麺を茹でた時も、ちょうど乾麺を茹でている様な麺の外側が透き通って中の芯がはっきりと見えました。茹で時間は同じく1分10秒で茹で上がり(硬さ)は炭酸カリの麺ほど差は感じませんでした。歯ごたえは打ちたての麺よりはしっかりしていますがそれほど違和感はありません。かん水の香りは茹でる前は両者同じ程度・質の匂いでしたが、茹でた後食べたときの香りはあまり強く感じません。噛み応えも柔らかく優しい感じがして、存在感は弱い(上品?)かもしれません。多分スープ他の出来栄えで麺の評価が変わると思われます。炭酸カリの麺を基準とすると、コシは弱いという表現になりますが、食べた感じはさほど悪くないです。食べはじめと食べ終わりでおよそ3分くらいの時間経過において少し「のび」が始まっていたようです。
拡大した麺



■総評
今回の6日寝かせた麺の熟成度合いや熟成過程の管理方法の適正さなどについては正否を判断することは出来ませんが、少なくとも時間が経つことで麺の質が明らかに変わることだけは確認できたと思います。
今まで炭酸ナトリウム主成分のかん水を良いものとして使ってきましたが、炭酸カリウム主成分かん水を勉強しながら使ってみたところこれだけの差異があったことが確認できたのも成果でありますし、また作った麺そのものの取り扱い方によって、まるで違う品物のように変化させてしまうことが実感(試食体験)できたこともまた大きな成果であったと思います。

今はまだどちらが良くてどちらが悪いという短絡的な判断を避け、自分が作ろうとしているラーメンと照らし合わせながらもう少し時間をかけてじっくり見極めをしていきたいと考えます。

熟成について期間をどの程度見たら良いかなど、さらに情報集め実験などで確認していきたいと思います。生の卵白を使っている関係で、品質上とても気になります…

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E-mail: ramen@akatombow.jp








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